2月3日の「節分の日」の夜にその年の恵方に向って、「巻すし」(恵方巻という)を無言で、幸せを念じて丸ごとかぶりついて食べると福が来る(縁起が良くなる)と言う風習がある。
大阪海苔組合員の「大阪昭和会」がこの風習を広めて同時に海苔の消費促進を図ろうと昭和52年頃から大阪市内の道頓堀商店街で始たものである。「海苔チャリティーセール」を行ないながら、イベントのひとつとして、女子大生を中心に応募した参加者による「巻すし(恵方巻)丸ごと早食い競争」が行われて人気を呼んでいる。
また、1月31日(日)午前10時30分から道頓堀川遊歩道(とんぼりリバーウォーク)で「焼き海苔」「寿司海苔」「味付け海苔」のチャリティーセールとして、通常価格の半値で販売される。
このチャリティーセールは2月3日(水)午前9時30分から大阪天満宮でもおこなわれる。
「巻き寿司丸かぶりイベント」は、1月31日11時~11時30分まで、道頓堀川のとんぼりリバーウォークで開催される。「恵方巻」(恵方に向って食べる巻すし・今年の恵方は「南南東」)を食べる風習がいつ頃から始まったのか定かではないが、発端は滋賀県などと言われている。しかし、江戸時代には大阪の商家で行われていたと言い伝えらていたことであり、それを何とかして海苔消費促進に繋げようと始められたものであるが、その謂れはあまり普及されていなかった。
今年は、大阪海苔協同組合が大まかな謂れをまとめたパンフレットを作り深みのある「恵方巻」イベントを行なうことにした。「節分巻き寿司豆知識」として、次の項目が纏められている。
(写真)道頓堀川遊歩道の広場で行われる「恵方巻早食い競争」の参加者(2008年撮影)
① いつ頃からこの風習は生まれたのか
愛知県や滋賀県発祥と諸説ありますが、江戸時代後期より大阪・船場の商家で行われていた「その年の恵方を向いて願い事を念じながら巻き寿司を無言で食べると福が来る」という説が有力です。節分は旧暦の大晦日で、前年の災いを払い、新年の幸福を祈る一種の厄落しの意味があったそうです。
②海苔巻きが選ばれた理由
巻き寿司は「福を巻き込む」にかけております。また、巻き寿司を切らない理由として、「縁を切らないために包丁を入れない」ことと、巻き寿司を鬼の鉄棒に見立てて逆に鬼を追い払うとの謂れからです。
③なぜ恵方を向くのか
恵方とは、その年の福徳を司る吉神である歳徳神が在する方角(十干により毎年かわります)で、その方角に向って事を行なえば、万事に吉とされる慣わしからきているとのことです。
正しい食べ方としては「家族が揃う、恵方を向く、無言、願い事を念じる、切らず(包丁を入れない)、最後まで食べきる」がセットになっております。
④なぜ喋ってはいけないのか
口を開けば、福が逃げていくとの事からです。似たようなところでは、大晦日に神社へ無言でお参りという風習がある地方もあるそうです。「無言」なのは、念じるときに雑念を追い払うためと、福を逃がさないためです。
⑤本チャリティーの目的といつ頃から実施されているか
前記の風習が廃れていたのを昭和52年、当時の海苔業界の一つ「大阪昭和会」が再現し、今日に至っています。趣旨は、昭和24年にイギリス人アンドリュー女史の海苔糸状体発見以降、昭和40年代から冷凍技術も貢献し、生産枚数が飛躍的に伸びたため、その消費宣伝目的に企画されました。海苔を安価で販売し、その売上げを福祉団体に寄付(近年は車椅子の寄贈)する活動です。今ではすっかり定着した巻き寿司早食い競争も当初から行われておりました。開催日が新海苔の時期でもあり、当初より人気を博していたとの事です。
⑥「恵方巻」で家族の団欒を
近年の社会状況や事情を考えると、なかなか家族揃って過ごすことが困難な時代です。年に一度家族揃って同じ物を同じ場所で同じ願い事を念じて食べる。そして家族の成長や健康等その他のことで雑談に花を咲かせる。節分の日くらいは家族揃って、食事を共にするというのも良いのではないでしょうか。
2016.01.19掲載


